手足が震えたりするパーキンソン病の発症にかかわる新たな遺伝子を、辻省次・東京大教授(神経内科)と戸田達史・神戸大教授(同)の研究チームが発見した。この遺伝子の配列が通常と異なると発症率が28倍高い。発症の仕組み解明や治療薬開発への応用が期待できる。12日付の米医学誌に発表した。
国内には約15万人の患者がいると推定されている。その9割は家族に患者がいない「孤発性」で、どの遺伝子の変異が発症につながるのかなど、よく解明されていない。
研究チームは、難病ゴーシェ病の原因遺伝子「GBA」2本のうち1本に変異があると、パーキンソン病が発症しやすいと指摘されていることに注目。日本人の孤発性パーキンソン病患者534人、病気でない人544人を使い、GBAの遺伝子を解析した。
遺伝子変異があった人は患者で50人(9.4%)だったが、非患者は2人(0.4%)で、病気のかかりやすさを計算すると変異のある人の方が28倍高かった。患者の中でもGBAに変異がある人は、ない人に比べ発症が約6年早かった。
孤発性の患者では、発症に関連する遺伝子が3種類ほど特定されているが、その遺伝子に変異があっても発症率の高さは2倍程度だった。辻教授は「これほど明確な危険因子が特定されたのは初めて。GBAの機能はよく研究されており、パーキンソン病の新しい予防や治療法の開発が急速に進むと期待できる」と話す。【奥野敦史】
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